2021年10月9日土曜日

日本国際教育学会大会での報告を終えました

今回は、指定課題である「民族のアイデンティティ」に関する報告で、あわせて司会も務めることから慌ただしい報告になりました。

まあいつも通り、テーマは琉球・沖縄なのですが、この課題研究のまとめとして見えてきたのは、少数民族に対する民族教育の内容を決定する主体は誰であるべきか、ということです。

1つは、民族教育を受ける民族が教育内容の決定に携わっているのか。特にその民族が少数民族である場合、マジョリティである民族が設定した枠組のなかで教育を行わなければならないとしたら、それは「アリバイとしての民族教育」にしかならないのではないかということ。

2つめは、民族教育を受ける子どもはその意見表明権(子どもの権利条約)を行使して、教育内容の決定(すなわち、子どもの学びたいことの表明と反映)に関与しているのか。

私は、民族教育はその社会で上層階層へ昇っていける文化資本たり得るのか、という問題提起をさせていただきました。

民族教育における伝統文化の継承に注力しても、それが生涯にわたってその社会で生き抜くことのできる力にならなければ、キャリア形成上、重大な障害になるとみなさざるを得なくなります。

とても難しい課題ですね。

一緒に登壇させていただいた先生方、刺激的なご発表内容に感服いたしました。ありがとうございました。大会運営に関わっている先生方、円滑な大会運営に敬意を表します。大変お世話になり、ありがとうございました。


研究フィールドは違いますが
とても勉強になりました