2020年2月25日火曜日

フロンティア(frontier)

新しい協働の枠組みが始まります。

都市計画の新しい動きは地域を動揺させます。
この動揺は、未来への希望とこれまでの終わりと、大別すれば2つの方向性をもって人びとの心にさざ波を生じさせます。キャリア・カウンセリングによく用いられる言葉を援用するなら、トランジション(transition)。

まちづくりは「ひと」づくり。ひとづくり、という言葉はどうしても上からの目線を感じさせますが、私がつくる主体ではなく、まちが、あるいはその地域の人びとが、その地域に関わる人を育てる、このような意味で使っております。そう、私もまたつくられる客体なのです。

この地域をまとめる会合に招かれ、地域リーダーからプレゼントをいただきました。このハートに込められた思い、必ずや。


皆さん、学生ともども、よろしくお願いいたします。

シンガポールのセグリゲーション

シンガポールはイギリスが宝石のように大切にしてきた地ということが、まちを歩くと実感できます。それは数々の教会ばかりでなく、統治の安定を目的とするセグリゲーションの跡をまちに見ることができるからです。

マラッカ海峡を睨む、この地をイギリスは手放したくなかったでしょう。ジブラルタルもそうですが、イギリスはこういう場所が好きですねえ。

セグリゲーションは民族などさまざまに区分される社会集団ごとに居住区域を分離することを意味しますが、中華街だけでなく、インド、アラブなど、シンガポールではそれぞれが見て取れます。民族ごとの区分なので、エスニック・セグリゲーションと表現した方が妥当ですね。イギリス統治は、インドなどのわかりやすい例からわかるように、セグリゲーションをはじめとする、社会集団ごとの分割と差別化、あわよくば対立を仕向けながら、自らに敵意を向けさせないことを旨としていましたね。だからこそ、マレー半島を蹂躙した大日本帝国の敗北後にイギリスが戻ってきたとき、歓呼の声が上がるわけです。

そのイギリスも世界の体勢に従って植民地を放棄し、いまのシンガポール、マレーシアがあるわけですが。

シンガポール、その独立はマレーシアからの追放という失意にまみれた歴史の一側面を持ちます。国家権力が強権をふるわなければ、もしかしたら今のシンガポールはなかったかもしれません。開発独裁の典型という批判はありますが、そのシステムは見事という他はありません。見習うべき点は多々あれど、あまりにもキチキチし過ぎていて、住むならタイの方がいいなあということを改めて実感する滞在でした。

おなじみのマーライオンからベイエリアを臨む

2020年2月23日日曜日

クアラルンプールというまち

クアラルンプールを訪れました。
植生はまごうことなく熱帯雨林気候です。



イギリスの植民地だった地域の名残でしょうか、抑制の効いたまちづくりをしているように感じました。特にゾーニングにおいて。



あるいは、この国の国教であるイスラム教の影響も強いのだと思います。ヒジャブをまとう人びと、主旋律としてところどころで目にする黒という色、熱帯の陽光にイギリスのネオ・ゴシックも映えますが、モスクはなおのこと目に焼きつきます。



まちづくり・都市計画の講義に用いることができるのは、多文化共生という点でしょうか。そのなかでもブミプトラ政策の功罪については、公共経営、公共政策の視点から特に時間を割けるところだと思います。



今回はJETROクアラルンプールを訪問させていただいたのですが、マレーシアの現況に関するレクチャーは大変有意義で講義・研究に活かすことのできる内容でした。ご担当いただいたJETROの皆さまに感謝申し上げます。

2020年2月21日金曜日

タイへの想い

タイへ行ってきました。

新型コロナウィルスの騒動で入国できるのかを危ぶみながらでしたが、いつもの愛想のない入国審査をすり抜けて無事入国。

多くの感染者が出ている日本からのツーリストを警戒という一報が友人から寄せられてヒヤヒヤしていましたが。

今回は、在タイ日本企業を訪問後、アユタヤへ。
古都であり、日本との縁深き地。日本人向けのマイルドなタイ料理を食べ、ワット・マハータートへ。

栄枯盛衰 無常を

この国の持つ仏教という背骨。あといくつかあると思うのですが、今回の旅は仏教でいう無常を感じる旅でもありました。ペシミズムに傾倒したわけでなく。

短い滞在でしたが、自分のなかに仏縁を宿らせてもらったような気がします。次に長く訪れるとき、またゆっくりとアユタヤに浸りたいと思います。建築あるいは文化社会学的なアプローチからの、またキャリアと教育、コミュニティに関わることがらについても、ラフではありますが研究上の関心事が惹起しました。

こうしたご縁をいただいている先輩教員・研究者、そして昨年再会の機会を得た古くからの友人に感謝しながら。

人影まばらな観光スポット タイ経済が心配です

2020年2月6日木曜日

空き家から始まるまちづくり

千住Public Network East の People に僕自身のまちづくりと次世代の育成に対する思いを掲載していただきました。

下記のリンク先をご覧ください。
https://senjupublicnetwork.com/miraidaigaku/

「いま、千住は面白いな」とつくづく感じる動きがあります。そうした旬に巡り会っていることを喜んでいます。

後期講義が終了し、成績算出に追われているところです。

昨夜も研究室は煌々と