2021年9月21日火曜日

【学会発表】沖縄本島における梵字碑の分布と固有信仰との関わりについて

日本比較文化学会で、沖縄における梵字碑と固有信仰とについて発表して参りました。

当日は他用もあって慌ただしいなかでの学会であり、いろいろな方にご迷惑をおかけしながら支えられての発表となりました。先輩教員の皆さまに心から感謝申し上げます。

梵字碑は日本各地にあるものなのですが、沖縄にある梵字は格別です。

なぜか。

沖縄は日本本土とはまったく異なった仏教受容をしているからです。

仏教伝来といえば、日本史では538年というのが通説だったかと思います。

琉球史では、仏教伝来は13世紀後半です。、禅鑑という名の僧侶(禅宗)が咸淳(「かんじゅん」と読みます)年間に那覇に漂着して…というのが通説です。

その歴史が全然違うんですね。13世紀後半といったら本土では鎌倉時代が始まっており、いわゆる「鎌倉仏教」が興ってきます。

当初は琉球王家が保護して上層の人びとに広まっていき、一般民衆にはほどよくしか広がらなかったようです、観音信仰や弁財天信仰などの拡がりもあったようですが、仏教の教理まで理解が進んでいたかどうかは不明です。「極楽浄土」という概念も。

そうした仏教受容をした琉球・沖縄に近世期以前の梵字碑がある。いまでも礼拝の対象になっている梵字碑も。この事実に着目しました。

この発表は端緒に過ぎません。深めていこうと思います。

私は主に足立区のまちづくりに従事していますが、こうしたコミュニティの原点を探る研究もしています。それは今の自分の原点を探る旅でもあります。




2021年9月4日土曜日

『これだけ覚える教職教養'23』が発刊されました

監修者・分担執筆者として名を連ねている書籍が発刊されました。

いつもながらコンパクトにまとまっていて(まとまりすぎているかな)、勉強しやすいと思います。教職を目指す学生さんだけでなく、公務員試験・教育学などにも使えると思います。

私は、地域活動と教育との関わりに関心を抱いていますが、何かのとっかかりとして教育学を眺めてみたい方、あるいは手軽に教育学が扱う射程をざっくり眺めたいという教育学初学者の方にも。




この1冊だけじゃ終わらない、そんな夏 2021


2021年9月3日金曜日

Stay Home から Stay Community へ

ワクチン副反応からヨボヨボと立ち上がっております。

ここ最近のいくつかの出来事をまばらにご報告していこうと思います。備忘のためでもあります。結構いろいろなことがありました。

学生がまた喜田屋さんにお世話になります。具体的なことはまだ書けませんが(ホントに未定)、学生が喜田屋さん本社にヒアリングに行って参りました。その予備調査となるアンケートも実施したりして、いろいろなことが進んでいます。

喜田屋さんには学生を育てていただく環境を長期間にわたってつくっていただいておりますが、なぜ長続きするのか。それは「また喜田屋さんのお店に行きたい」「社長に会いたい」という学生が何世代にもわたって続くように、学生を引きつける魅力をお持ちだからだと思うのです。

もちろん喜田屋さんばかりではなく、これまでも学生を魅了し続けた地域の皆さんがいらっしゃって、私たちは、地域に学び、地域を創ることを学んできました。その数たるや!

こうした学生の思いの根底にあるのは学生が「自分たちは使われるだけの存在ではない」ということのように思います。そして、「人と人とをつなぐこと」をかけがえないこととして尊重するNPO、区役所(シティプロモーション課)の皆さんの強いバックアップがあればこそ。

いま、コロナ渦によってさまざまな地域活動が停滞しています。

感染リスクを考慮しなければならないことは当然。とはいえ、友達に会いたい、一緒に活動したい、大学生としてキャンパスライフを送りたいという、学生の願い。お祭りやイベントを開きたい、地域が寂れていくのをみていられない、そのような地域の皆さんの思い。これらにどう答え、どのようにつないでデザインしていくのか。

私は、信頼可能なコミュニティの創造と拡大によって、Stay Home からStay Communityへの流れをつくり、人の活動の幅を拡げていくことを考えています。今後のコロナウイルスの感染状況を見すえながら、しぶとくやっていく。研究室の方針としてそんな旗を掲げていこうと思います。

はじめての「交渉」