2022年1月4日火曜日

新年を迎えて

新しい年を迎えました。皆さま本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年は寅年。

今までの努力や蓄積が芽吹く年といわれております。正月の三が日、私は初詣の修正会に伺っていたのですが、そこでお坊様もそのように仰っていました。また、新型コロナウイルスをはじめとしてこれから大変な時代になるとも。

私はこのような混迷の時代には、改めて哲学や宗教に対する人びとの希求が高まるのではないかと感じております。生きることの意味、すなわち死の意味。「科学」という解明の手段を駆使してさまざまなことがらを人類は「解明」してきましたが、地域を超えて、時代を超えて、永遠の真理としてあるものはいったいどれだけあるのでしょう。

社会学者A.コントは、人間の精神というものを、神学的段階から形而上学的段階へ進み、近現代にいたって実証主義的な段階へ進んだと指摘しましたが、「実証」はいくつかのサンプルから「実証」したものが少なくなく、それを「全体」に適用したときに必ずしも妥当しないことがあります。私たち研究者の論文にも標本調査があふれていますが、「実験」「調査」の結果得られたデータはかなり限られた条件下においてのものであったりします。

もっと大きな視点からみて、この世界を動かしている根本的な原理は何なのか、そして新しい時代にふさわしい指針は何なのか、こうしたことが、いま、私が探し求めているものであり、そしてまた、私と同じような思いでおられる方々は少なくないと思っています。

教育、政治学、社会学、工学とあまりにも細分化された科学の手法でさまざまな視点から「解明」をなさんと心がけてきましたが、自分に残された時間を思うと、このような方法を堅持しつつも、より包括的な方法を学ばなければならないと考え、実践しているところです。

その方法とは?今年の秋頃と来年の春頃にその実践は節目を迎える予定です。花が咲くまでにもう3年はかかるかな。精進あるのみ。終わりなき旅を続けます。

2022年の年頭の所感として。

一歩一歩を踏みしめて進むしかない