阪神・淡路大震災、それは私の個人史の中では統治制度だけでコミュニティの「安心・安全」を守ることの限界を思い知らされた出来事でした。そこから大きく都市計画学・建築学へシフトしていくことになります。
フィールドワークでは、当時まさに横倒しになった高架下を歩き、港湾までの道筋を辿りました。その過程は割愛しますが、行き先の港は静かに日常を営んでいました。
こうした初心に返るべくアドバイスがあったので。
備忘のために。
沖縄で鍛えられたコミュニティにおける公共空間の調査・研究手法。これを、群馬、足立区をはじめとする東京の下町に応用しながら、学生とともに。おもにその活動を記録していきます。
阪神・淡路大震災、それは私の個人史の中では統治制度だけでコミュニティの「安心・安全」を守ることの限界を思い知らされた出来事でした。そこから大きく都市計画学・建築学へシフトしていくことになります。
フィールドワークでは、当時まさに横倒しになった高架下を歩き、港湾までの道筋を辿りました。その過程は割愛しますが、行き先の港は静かに日常を営んでいました。
こうした初心に返るべくアドバイスがあったので。
備忘のために。
学会発表にあわせて、かねてより予定していた山形市市街地のフィールドワーク(FW)に行ってきました。
もう少し範囲を限定すると、山形市都市計画マスタープランでいう「都心地区」になります。さらに限定するならばその中の「中央」と「東部」。
ちなみに昨日の発表の場、山形大学は「東部」に位置し、上記のマスタープランでは「昭和初期の⼟地区画整理事業により形成された⼾建て住宅を中心とした閑静な住宅地であるとともに、県庁や山形大学、多数の高等学校が位置することで昼間人口が多い地域」と記されています。
一方の「中央」は「行政機関や商業、業務などの機能が多数集積する広域都市圏全体の活動を牽引する地域ですが、近年大規模商業施設の撤退が相次ぐなど空洞化が進んでい」ると記されており、今回のFWはその「空洞化」とそれに対する振興策について見聞する事を目的としました。山形市の総人口はこのマスタープランに記載されている253,832人(2015年)からさらに減少し、244,584人(2022年4月推計値:「山形市現在の推計人口」山形市公式サイト)となっていますから、この点に絞ってみたいと思いました。
帰京までの数時間のワンショットFWなのでかなり限定されてしまいますが、それでも山形市まで赴いたならば、より多くのことを学びたいとの思いで。
さて、マスタープランでは「中央」について以下の記述があります。
「山形城三の丸及びその周辺に発達したまちで、二の丸に囲まれた霞城公園を中心とした城下町の面影を残したまちなみに、明治から昭和初期の近代都市建築の遺産である文翔館、郷⼟館(旧済生館)、まなび館(旧山形一小)などが位置しています。また、歴史的な価値のある「蔵」をリノベーションした山形まるごと館紅の蔵や gura がまちなか観光の拠点となっています。旧羽州街道の沿道には、老舗の歴史ある商店が軒を連ね、風格あるまちなみ景観を形成しています。」
この記述から、今回のFWの目的を「歴史的な遺産という地域資源を観光資源として活性化に寄与できているか」としました。
このブログでは郷土館(旧済生館)をご紹介しておきましょう。郷土館の建物は国の重要文化財でもあります。その印象的な外観はこの通り。
でも、霞城公園周辺はマスタープランに従って機能的に整備されていることは確かで、次回、訪れたときには本丸エリアの整備も終わっているのではないかと。今後の計画の遂行が楽しみです。
このような計画の結果、霞城公園周辺が「中央」の観光資源になることは間違いないと思いますが、課題となっている空洞化や人口流出の対策としての効果は薄いような気がします。
観光客を呼び込むにしても、1つ1つの観光資源の間が、車で移動するには近すぎ、歩くには遠すぎる、微妙な距離なので、車でも徒歩でもない移動手段の整備が望まれます。人力車などが風情があって面白いんだけど、車夫の確保が難しいかなあ!山形大学の学生の皆さん、車夫やりませんか?
知恵を凝らせばまだまだできることはたくさんあるはず。
山形市の皆さん、ともに頑張りましょう。
大学の近くに祠堂があって、そこには十一面観音様がいらっしゃいます。
学生の多くは「おじぞうさん」と呼ぶのですが、この機会に声を大にしていわなければなりません。石像の仏像をいっしょくたに「おじぞうさん」とか呼ぶのは止めましょう。
この十一面観音さま、厚い信仰を集めていて、お線香が絶えているのを見たことがない、といってもいいくらい、多くの方が参拝しています。一等地にあるわけではなく、偉いお坊さんがいるわけでもない。誰とも知れず皆さんが少しずつきれいにする気持ちを添えて、お花、お香、お水などの荘厳は清浄です。ピカピカの仏器ではありませんが、気持ちがこもっている空間で、誰をも受け入れています。
私はこのような祈りの空間を調査・研究してきました。机上のそれによるのではなく、十年の単位で野山を歩き回りながら。
そういえば、弘法大師・空海も若き日に野山を駆け巡って、雑密と呼ばれる密教のかけらを拾い集めては実践していたようですね。お大師さんのお力には及びませんが、そこかしこに神仏がおわしますというその感覚はなんとなくわかるような気がします。その感覚が祈りへとつながるのですが、こればかりは「外」で動き回った方でないとわからないのではないかと思うのです。
その私が思うに、この十一面観音様はとても大きなお力をお持ちのような気がします。今日拝見した観音様は、冬用の「どてら」を脱ぎ、初夏を思わせる陽気の中で静かにたたずんでいらっしゃいました。
講義科目「地域連携Ⅰ」で対面講義が復活して、嬉し、忙しの日々です。
今回は、コミケでは有数の知名度を誇る企業、(株)しまや出版の小早川真樹社長をお迎えして、企業をめぐる現況、社長ご自身のキャリア形成についてお話しいただきました。
社長と一緒に来学していただいた3人の新入社員のお話もあり、学生のキャリア観に大きなインパクトを与えたことは間違いないでしょう。
私が最も印象に残ったのは「癒し課」の社員さんのお話でした。
その社員さん人間ではありません。ねこなんですね〜こんな人間との共生の在り方もありなんだなと。今年、地域猫の研究をするゼミの学生と「癒し課」を研究対象に入れることができないかを画策中です。