学会発表にあわせて、かねてより予定していた山形市市街地のフィールドワーク(FW)に行ってきました。
もう少し範囲を限定すると、山形市都市計画マスタープランでいう「都心地区」になります。さらに限定するならばその中の「中央」と「東部」。
ちなみに昨日の発表の場、山形大学は「東部」に位置し、上記のマスタープランでは「昭和初期の⼟地区画整理事業により形成された⼾建て住宅を中心とした閑静な住宅地であるとともに、県庁や山形大学、多数の高等学校が位置することで昼間人口が多い地域」と記されています。
一方の「中央」は「行政機関や商業、業務などの機能が多数集積する広域都市圏全体の活動を牽引する地域ですが、近年大規模商業施設の撤退が相次ぐなど空洞化が進んでい」ると記されており、今回のFWはその「空洞化」とそれに対する振興策について見聞する事を目的としました。山形市の総人口はこのマスタープランに記載されている253,832人(2015年)からさらに減少し、244,584人(2022年4月推計値:「山形市現在の推計人口」山形市公式サイト)となっていますから、この点に絞ってみたいと思いました。
帰京までの数時間のワンショットFWなのでかなり限定されてしまいますが、それでも山形市まで赴いたならば、より多くのことを学びたいとの思いで。
さて、マスタープランでは「中央」について以下の記述があります。
「山形城三の丸及びその周辺に発達したまちで、二の丸に囲まれた霞城公園を中心とした城下町の面影を残したまちなみに、明治から昭和初期の近代都市建築の遺産である文翔館、郷⼟館(旧済生館)、まなび館(旧山形一小)などが位置しています。また、歴史的な価値のある「蔵」をリノベーションした山形まるごと館紅の蔵や gura がまちなか観光の拠点となっています。旧羽州街道の沿道には、老舗の歴史ある商店が軒を連ね、風格あるまちなみ景観を形成しています。」
この記述から、今回のFWの目的を「歴史的な遺産という地域資源を観光資源として活性化に寄与できているか」としました。
このブログでは郷土館(旧済生館)をご紹介しておきましょう。郷土館の建物は国の重要文化財でもあります。その印象的な外観はこの通り。
でも、霞城公園周辺はマスタープランに従って機能的に整備されていることは確かで、次回、訪れたときには本丸エリアの整備も終わっているのではないかと。今後の計画の遂行が楽しみです。
このような計画の結果、霞城公園周辺が「中央」の観光資源になることは間違いないと思いますが、課題となっている空洞化や人口流出の対策としての効果は薄いような気がします。
観光客を呼び込むにしても、1つ1つの観光資源の間が、車で移動するには近すぎ、歩くには遠すぎる、微妙な距離なので、車でも徒歩でもない移動手段の整備が望まれます。人力車などが風情があって面白いんだけど、車夫の確保が難しいかなあ!山形大学の学生の皆さん、車夫やりませんか?
知恵を凝らせばまだまだできることはたくさんあるはず。
山形市の皆さん、ともに頑張りましょう。