2016年10月27日木曜日

上武大学と渋川市が連携協定を締結しました

昨年度から関わってきた渋川市とのご縁がひとつの形になりました。

私が携わったのは基礎調査・研究に過ぎませんが、それも1つのきっかけとなって「連携協定」を締結できたことは、本学・渋川市双方にとって、意義深いことと感じます。域学協働の最前線に立つ者として喜びもひとしおです。


どのように地域と若い世代をつなぐかということについて考え、実践して参りましたが、手法の一つを確立できたのではないかと思います。渋川のまち・ひとはたしかにうちの研究室の学生を鍛え、学生らはたしかに渋川のひと・まちを元気づけることができたと思います。

まちづくりはひとづくり
ひとづくりはまちづくり
今後も「なじむ・かかわる・ふかめる・みつける」という「なかふみ」の実践から学生を育てていきたいと思います。

また、私の研究室だけでなく、本学に在籍するさまざまな立場にある方々が渋川市にかかわりを持ってくださるように、自ら現場に立ちつつ、学生にも働きかけていきたいと思います。行政学Bの講義で今年から留学生も渋川にあたたかく迎えられるようになりました。


良き共同体の条件はいくつもありますが、第1次的な条件は多世代交流にあると考えています。1次接点が単線の、あるいはユニラテラルな交流であっても、それが多様かつ複層化し、相互の関心の高まりが点の交流から、線、ついで面的な交流へと進化する過程を渋川で観てきました。交流という言葉、コミュニケーションと言い換えた方がいいかも知れませんが。

2015年、渋川研究班の3年生が各公民館担当となり、公民館職員の方や公民館利用者とさまざまな交流を始めました。最初は戸惑い、どう対応していいかわからなかった彼らも、繰り返す交流によってその地に人にじみ、かわりを深めていきます。

かわりには私から課題を与えられ、それについて考え、実践する過程でさまざまな人に出会い、ものに関心を寄せ、教員を通してではないかわりあいが生まれ、それがかみをを帯びてきます。渋川で職を得て暮らしたいという学生が出てくるようになり、教員のいないところで渋川で職を得るにはどうしたら?というような相談を公民館職員の方にする学生も。そうしたなかで、地域課題をいだし、それを解決するための共創が始まるのです。

その3年生が4年生になり、新3年生を連れてフィールドに入り、複層化がなりました。3年生と4年生が行政学Bなどで多様な立場の学生を自らのフィールドに導いています。

研究室内の人間関係が、研究室でのプロジェクトとして扱わない祭やイベントに友人や後輩を導き、地域の世話役から商店主、企業人など全面的なふかみあるかかわりが生じ、その地に生きることが人生の選択肢として地平線の彼方に見えるようになります。渋川で、新町で、このような状況が生まれています。

多世代にわたる交流が生むものは豊かであり、可能性に満ちています。学生は、特に4年生は私が渋川に入り、孤軍奮闘する様を、その背中を見て育った世代ですから、自らも試行錯誤しながら進むことを恐れません。みな逞しくなりました。今日のゼミでも自らの卒業研究の調査状況を語る彼らの成長に驚かされたところです。

渋川の皆さん、ありがとうございました。これからも上武生をよろしくお願いいたします。