日付はもう昨日になりましたが、卒業式後に開催された「たかさき環境パートナーシップ会議」で森下ゼミは正式に会員として承認されました。
オブザーバーとして参加して3年。これまでの活動に対する評価をいただけて嬉しいですね。3代にわたる学生の奮闘を高く評価したいと思います。
コミュニティをデザインするにはただ1つの正解があるというわけではありません。
計画(デザイン)の前に調査をしても、その調査結果に基づく計画立案が必ず正しいというわけではなく、あまりに調査にこだわるとしくじることがあります。調査はあくまでも1つの参考に過ぎません。
計画の方向性を決定づけるのは、コミュニティの皆さんとの意見交換などから来る感情の総体をいかにつかむかにあると思います。この点が建築物の設計と大きく異なる点であり、コミュニティをデザインすることの醍醐味でありましょう。
学生に社会調査の手法をゼミで教えますが、それだけでなく「現場で感情の総体をいかにつかむか」という感覚(センス)を磨くことを課します。いわゆる「な・か・ふ・み」のプロセスで、コミュニティになじみ、かかわり、ふかめ、みつけるという過程を踏ませます。関わりが深くなって初めて明かされる人の想いというものがあるわけで、それは社会調査等で必ずしも浮かび上がらないものでもあります。もちろんそればかりでも困りますが、それでも私の研究室では関わりを深めるなかで見つけたものを大切にすることを方針としています。
これまで、新町、渋川、伊勢崎、沼田で私たちの研究室はこうしてコミュニティの課題を見出し、処方箋を描き、実践してきました。さて、たかさき環境パートナーシップ会議で私たちは何を見出し、どんな未来図を描けるでしょうか。楽しみです。