2019年9月4日水曜日

福井フィールドワークを終えました

福井といえば幸福度No.1の県。
でも、この統計、意外と浸透してないんですよね。ちょいと福井県からの引用になりますが、このように。

(一財)日本総合研究所が発表した『全47都道府県幸福度ランキング2018年版』において、福井県は2014年、2016年に続き、3回連続で幸福度日本一と評価されました。

研究機関や大学等の調査から「幸福度日本一」と評価されている福井県。髙い教育水準や良好な経済・雇用環境、子育てしやすさなど、客観的な指標を基に評価されています。 

幸せの素1 働く場が豊富
有効求人倍率は全国トップクラス。正規就業者や女性の就業率も全国1位です。

幸せの素2 子育て支援が充実
共働き率全国1位。子育て世帯への支援が手厚く、仕事と子育てを両立できる職場づくりを進めています。

幸せの素3 つながりの強い福井の家族
持ち家率は約8割と住環境に恵まれ、3世代同居率は全国トップクラスです。

幸せの素4 学力・体力日本一
福井の子どもたちは、全国学力テスト、全国体力テストでトップクラスと文武両道です。」

素晴らしいですよね。


でも若干、気になることが。それは近年の福井県における不登校児童・生徒の増加です。
たしかに福井県は学力テストで常に首位あるいは首位を争う県です。今回のヒアリング調査でも、福井県内の学校の先生の授業力は皆さんが礼賛していました。


一方で、かなりカッチリした教育の風土のようで、そうした環境によって学力テスト上位県であるとしたら、その環境からこぼれてしまった児童・生徒はかなりやるせない気持ちになってしまうだろうな、と考えながらのフィールドワークでした。


今回、子どもと接するNPOの代表の方、大学教員、行政職員の方、不登校経験者からお話を伺い、「幸せの素4」が生み出す地域課題を把握できたような気がします。


幸福度No.1、それは統計上そうなのですが、僕はその栄光の外にある影に光を当てたいと思うのです。すでにこの課題に向き合って奮闘なさっているNPO福井スコーレや、もっと根本的な子ども観の転換を図ろうと試みる福井県子どもNPOセンターのような先駆的な実践が始まっています。この波をもっと大きなものに育てる必要を感じました。


僕は、沖縄、群馬、足立で実践を重ねてきましたが、福井での実践も視野に入れていきたいと思います。それは大学教員・研究者という立場ではなく、一市民としての関わりにな
るかもしれません。学力テストで「トップクラスの県」という学校環境でつらい思いをしている子ども、あるいは学校に行かないという選択をしている子どもに寄り添い続けている福井の同志の力になりたいとの思いが募るフィールドワークでした。


地域の教育力で新たな翼を得た子どもが福井に残り、あるいは福井に帰って、まちをつなぐ力になれることを願いつつ、関わりを強めていきたいと思います。


またのー、福井。

蘇らせてみたい福井市街の商店街